需要と供給のミスマッチが引き起こすいたたまれない出来事
需要と供給といえば「バランス」という言葉が真っ先に思い浮かぶのですが、「ミスマッチ」ということも近年ではよく聞きます。
「需要と供給のミスマッチ」というと、仕事(職種)関連の話題が出ているのではないでしょうか。
人手不足なのに全然人が集まらない業界とか、定年後のオジサンが勤めたい職種と現実のギャップとか。
加えて、新卒には月給30万円出すけど氷河期世代はリストラするとか、世の中は残酷なものです。
「絵を描くのが好きだからイラストレーター」の危険率
需要と供給供給の話は、職業全体のことだけじゃなくて、その職業の中で扱う題材だったり、仕事の詳細内容だったりにもあります。
例えば、うちの子どもらもそうですが、小学生はお絵描きが好きかつ身近なことなので、
「イラストレーターになりたい」
「漫画家になりたい」
と言い出す可能性はありますよね。
中学生・高校生になって、SNSでちょっと絵が褒められたりすると、将来の進路がイラストレーター志望になったりするかもしれない。
ひどい場合は就職氷河期世代にも、絵も描かないしストーリーも作らないのに「漫画家になりたい」なんて人も、いる。
意外と世の中にはそういう人がたくさんいる。
あの世界も、稼ぎの金額の幅が広いし、内容も広いので、
「ほんのちょっと稼げればOK」
というなら、今から誰でもなれるっちゃあなれるのですが……。
駄菓子菓子、本当に稼ぎたいなら、「需要のあるものを描けるかどうか」です。
「技術的には描けるけど描きたくない」は、「描ける」とみなすことはできません。
納品・振込まで済んでからがひとつの仕事の終わりです。
※たまに間違われる方がいるのですが、私の現在の職業はイラストレーターではありません。
Adobe Illustratorというのは、そういう名称のパソコンソフトがあるのです。
アーティストとして成功したいのか、ビジネスをやるのかで全然違う
「需要のあるもの」というのは、「アーティスト活動が世に受け入れられる」という意味とは違います。
「世の中が必要としていて、なおかつお客さんのリクエストにこたえられる」という意味です。
この「需要と供給のマッチング」的なものが、大きく崩れています。
ビジネス用の商品や資料に使えるみたいな目的で「必要とされている」イラストや漫画と、提供したがっている側(例えばイラストレーター志望の方)のテイストに、大きな隔たりがあります。
世の中の産業のほとんどは、
「世の中が必要としていて、なおかつお客さんのリクエストにこたえられる」
ことで成り立っているのですから、漫画家やイラストレーターも例外ではありません。
実は最近一番笑った漫画は、家電の販促漫画です。
もちろん、画力レベルは月刊アフタヌーンのようなものではなく、ライトで手間のかからないタッチ。
それでも十分に面白くて、話がしっかり通じる。
「いい仕事をされているな」としみじみ思いました。
今週のお題「最近いちばん笑ったこと」
なりたい理由が「アーティストとして成功したい」なら、ちゃんとそう言ってほしいかな
そのジャンルの方が夢を語りだすときには、「アーティストとして成功したい」思想であることが圧倒的に多いです。
アーティストとして自分の表現を追求することは素晴らしいことなのですが、一般の仕事に持ち込まれると厳しい場面があるのです。
一般の仕事の例)
もし自分の娘に将来の夢として「アーティスト思想」を持ちかけられたら、対策方法(実現のために親として助力すること)に悩んでしまいます。
「東京へ行ってミュージシャンになる」と同じベクトルです。
よしんば「ドライにビジネスでもいいかな」という意識が半分くらいあるなら、考えようはあります!
けれども、「ビジネスとしてやる」と口では言っても、前提が「アーティストとして成功したい」思想だと話が食い違ってしまうので、そのときはちゃんとそう言って欲しいです。