ニュースでは語られないイランのリアル
日々報道で流れる国際情勢、あまりに遠い国の話に感じられるのは、現地女性(我々だったら親近感のあるワーママ)の話が出てこないからだと感じております。
そんな私の心を、昨年12月にぎゅっと掴んだ一冊がございまして。
金井真紀さんは、素晴らしいライターでありイラストレーターです。
特に、近代歴史や国際問題を取り扱った作品がすごい。
今月、アメリカすらも大きく介入して緊張が高まっているイランですが……
その首都テヘランに住む普通の女性たちが、ふだんからどんなことを感じていて、どんな日々を送っているのかが、この本を読むとわかるのです。
まるで彼女たちの隣に座って話を聞いているような感覚をおぼえます、まじで。
イランの首都テヘランのすてきな彼女たちの日常は、私たちの生活と実は大きく変わらない部分もあって、しかも国への不満が渦巻いているのです。
(超嫌われていた前体制から変わっても、新たな指導者と体制がやっぱりダメでめっちゃ嫌われている)
ウクライナのことだったり、ガザのように国際法が守られずとんでもない事態が続いている場所がありますよね。
それに加えて、スーダンの情勢なんかほとんど報道されていないし。
日本で暮らしていると断片的にしか知りえないのですが、そこにももちろん私達と同世代の女性たちがいて、どれほどの重みに耐えているのだろうと考えさせられます。
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの言葉を借りるなら、「戦争は、女の顔をしていない」。
現状の日本もあなどれない?
現代日本も、世代間格差の谷の部分にありますよね、これ。
例えば、祖父母世代が経験した戦時中を谷とすると、私たち自身が直面してきた就職氷河期の門前払いから現在も、深さは違えど谷だなぁと。
(そしてリカバリーされていない)
世間一般で就職氷河期/ロストジェネレーションが語られるときには、男性の苦悩に焦点が当たっている報道が多いと感じております。
でも本当は、人口って男女半々ですよね。
私たち40代ワーママ世代も、氷河期という世代間格差の当事者なのですけれど。
戦争以外も、女の顔をしていないように感じられてなりません。